イベントレポート
〜日本ボードゲーム界の挑戦〜
場所:メルパルク大阪(新大阪)
ライター:末原
今回第2回を迎える、ボードゲームシンポジウム。前回は、業種や分野を超えた初めてといってもいい試みであり、主催者としてもどのような評価を得られるか非常に心配していたのですが、どなたからも大変良かったという反応をいただきました。その一方で、スピーカーの方が多すぎて、一人一人じっくりお話を聞きたいという意見もありました。
そこで、今回は「日本ボードゲーム界の挑戦」と言うテーマに沿って、子どもゲームの分野から輸入代理店「株式会社ジョルダン」の宮野亮氏、ゲームショップの分野から「有限会社メビウスゲームズ」の能勢真由美氏の2名のゲストスピーカーと、普及の立場から当『ゆうもあ』の理事長一階の3人による基調講演ならびにパネルディスカッションを行いました。
基調講演では、まず『ゆうもあ』理事長一階が「日本でボードゲームを広める特効薬は?」と言うテーマで『ゆうもあ』の活動の変遷と、『ゆうもあゲーム会』など普及活動を通じて得られたボードゲーム界の各分野における問題点を指摘するとともに、解決策を示唆しました。
次に、(株)ジョルダン宮野氏が「このゲーム、日本ではどうかな?〜日本で販売するときの苦慮と工夫〜」と言うテーマで、ドイツのゲームメーカーの実情や、日本での売れ筋ゲームの分析、またルールブックを作る際の苦労話など、ボードゲームが市場に出回るまえにどれほど多くの過程を経ているのかを説明され、現在の日本において受け入れられるゲームの傾向と、今後の対策を示唆されました。
最後は、(有)メビウスゲームズ能勢氏は「メビウスママのボードゲームのおはなし」と言うテーマでゲームショップメビウスゲームズの13年間の取り組みや苦労を振り返るとともに、母親の視点から実体験を交えながらお話いただき、ボードゲーム界の強みや不足しているもの、今後必要な活動の方向性などを示唆されました。
45分と言う持ち時間の中で、それぞれの立場から密度の濃いご公演をいただきました。後半のパネルディスカッション「あらゆる層へのボードゲーム普及に向けて」が、前半の内容を受けながら、参加者の質問にスピーカーが応えるという形式で進行しました。
大きな話題はルールブックや日本語表記の問題で、遊び手は「ルールブック」にどれくらいの情報を欲しているかという提起に対し「ゲームのテーマ性は重要」「ルールは簡潔に」「バリエーションを設ける」など様々な意見が出されました。
来場者からも非常に活発な意見が寄せられ、3時間と言う(かなり超過したのですが)短時間にかかわらず密度の濃い内容となり、今後のボードゲーム界発展には「普及」「流通」「販売」の連携が必要であるというという認識が導き出されたのではないかと感じています。
スピーカーの皆様、参加者の皆様本当にありがとうございました。ご意見・ご感想などございましたらお寄せください。